乳牛飼料の生産拠点
「グリーンコープTMRセンター」

乳牛の飼料を国産へ

食料を輸入に頼る日本の自給率は40%に満たず、畜産の飼料に至っては25%程と言われています。グリーンコープは、2008年の食料危機により飼料価格が高騰したことを受けて、産直豚、産直若鶏、産直たまごの親鶏の飼料を国産へ切り替えてきました。

今回、新しい産直びん牛乳事業を契機に、畜産飼料のほとんどを輸入に頼る現状を変えるため、乳牛に与える飼料も国産にしようと考え、飼料を調合するTMRセンターを建設しました。また、飼料原料の国産化に向けて、産直青果・米生産者の協力のもと、耕作放棄地などを活用した飼料用作物の栽培もすすめています。

※ TMRとは Total Mixed Rations の頭文字で「混合飼料」「完全飼料」などとも呼ばれ、栄養を考えながら粗飼料と濃厚飼料を混ぜ合わせて牛にエサとして与える方法です。これを大きな規模で行い、畜産農家に混ぜ合わせた栄養価の高いエサを提供しているのがTMRセンターと呼ばれる施設です。

輸入飼料からの脱却を目指して

現在、青果・米生産者の協力で、粗飼料となるWCS稲(飼料用稲)・サイレージコーン、イタリアンライグラスが九州各地で栽培されています。また、配合飼料や乾牧草など、当面は輸入に頼らざるを得ない原料の一部は、遺伝子組み換えのものが混入しないよう適切に分別生産流通管理された飼料を調達します。また、グリーンコープの取引メーカーからは、発酵飼料の原料としてウイスキー粕や米(破砕米など)、そうめんの端材などを提供いただきます。

グリーンコープは、輸入飼料からの脱却を目指した取り組みを進めていきます。

飼料ができるまで

ロールで届いたイタリアンライグラスを食べやすいように裁断
ロールで届いたイタリアンライグラスを食べやすいように裁断
「レシピ」に基づき、粗飼料と濃厚飼料を調合
「レシピ」に基づき、粗飼料と濃厚飼料を調合
配合した飼料がミキサーから出てくる
配合した飼料がミキサーから出てくる
完成した混合飼料を梱包し牧場へ
完成した混合飼料を梱包し牧場へ
新しい飼料もしっかり食べてくれています

8万平方メートルの森に匹敵する脱炭素効果を創出

TMRセンターには、グリーンコープのカーボンニュートラル運動の一環として進められている『オンサイトPPAグリーン市民発電所』である自家消費型太陽光発電システムが設置されています(設備容量130kW)。センターの屋根上につくられたこの発電所では、年間で約13万kWの再エネ電気がつくられる見込みで、仮にこの電力量を化石燃料でつくると約58トンの二酸化炭素を排出することになります。この排出量は約8万平方メートルの森林が吸収する二酸化炭素の量に相当しますので(※1)、脱炭素と環境保全の貢献にもつながります。つくられた電気は全てTMRセンターで使われ、センターの全電力消費量のおよそ30%が賄われる予定です。不足する電気は送電線を通してグリーンコープでんきの『CO2ゼロエミッションプラン(※2)』の電気が供給されますので、TMRセンターでは電気由来の二酸化炭素排出量はゼロとなっています。なお、『オンサイトPPAグリーン市民発電所(※3)』の建設費用は組合員が拠出するグリーン電力出資金から支出されています。

※1 出展:NEDO太陽光発電導入ガイドブック〈本篇〉2000年改訂版

※2 グリーンコープでんきは発電時に二酸化炭素を排出しない非FIT非化石電気とFIT電気が主電源(2つ合計で全体の99.9%※23年度実績)ですが、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)では、日本の電気がつくられる際に排出するCO2を排出してつくられた電気とされます。これを非化石証書を充てることによって「実質CO2ゼロエミッション」の電気として販売しているプランです。

※3 (一社)グリーンコープでんきが発電事業者としてグリーンコープ関連施設の屋根上に設置する自家消費型の太陽光発電所。発電した環境価値付きの再エネ電気は、消費した施設に販売されます。

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