「今日は朝5時30分に来て、まず餌槽(しそう:飼料を入れる箱のこと)の掃除を行いました。続いて糞の掃除をし、餌やりをしたら、子牛のお世話をして、搾乳。それが終わったら、2日に1回の餌づくりですね」
明るい笑顔で一日の仕事を説明するのは、グリーンコープ連合会の宮崎拓也さん。宮崎さんは、これから始まるグリーンコープの牛乳のための牧場「(株)耶馬渓ファーム」の酪農業務を担うべく、地元耶馬渓のベテラン酪農家・伊原忍さんの農場などで研修を行っているところです。
すっかりこの場になじんでいる宮崎さんが伊原農場へとやってきたのは、2024年8月のこと。それまではグリーンコープ生協ふくおか京築支部で支部長を務めていました。最初に異動の声がかかったときは、「これまで携わってきたデスクワークとはまったく異なる世界。漠然としたイメージしか湧きませんでした」と話します。
「ただ、これからグリーンコープにとって大切なプロジェクトが動いていく、ということは聞いていたので、『そこに関わることができるなら、ぜひやってみたい』という気持ちですぐに参加を決意しました。まったくの未経験で、ご迷惑をおかけしている部分も多いと思いますが……私自身にとってはすべてが新鮮で、楽しいです」
グリーンコープ商品を「届ける」立場から、さらにその手前の「育てる」立場へ。現在、宮崎さんが改めて実感しているのは、「今回の『共生・循環型酪農プロジェクト』は、職員はもちろん、地元・下郷農協の方々を含めた多くの人々のつながりによって成り立っている」ということ。特に、耶馬渓の皆さんの理解と期待が、慣れない酪農研修に励む宮崎さんにとって大きな支えになっているといいます。
「現在、一時的に産直牛乳がお届けできず、多くの組合員のみなさまにご迷惑をおかけしていると思います。そんなときだからこそ、TMRセンターでも、びん詰め工場でも、ここ牧場でも、多くのグリーンコープ職員が地元生産者のみなさんらとともに汗を流し、牛乳の生産に向けて準備をしていることを、知っていただけたら。私たち職員は、一日も早く『グリーンコープの牛乳』をお届けできるよう、現地で日々技術を学び、その日に向けて経験を重ねています。ぜひ、新しい牛乳が供給できる日を、楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです」